肉離れ
こんなお悩みはありませんか?
普段しない動きをするとしばらく動けなくなる
過去に運動で怪我をしたことがある
学生時代はハードな運動をしていたが、社会人になってご無沙汰だがたぶん大丈夫である
運動をするが、クールダウンなどの体への労りをあまりしていない
動かない作業、または長時間同じ動きや体勢が続く仕事をする
という生活パターンの方、特に注意が必要かもしれません。
肉離れで知っておくべきこと
整骨院における保険の適応の範囲には筋挫傷の症状が含まれますが、肉離れもこれに該当します。すなわち、身体を動かす筋肉の筋繊維や、それらを包む筋膜を損傷した状態です。
筋挫傷は怪我の度合いにより1度から3度までに分類されます。軽度なものが1度、部分的な筋繊維損傷が2度、完全に筋肉の近位部と遠位部が断たれてしまったものを3度とされています。
軽い1度でも、筋肉に強いテンションが一気にかかった、またはかかり続けたことで、正常な範囲を越えたところまで伸ばされて破綻した状態です。そのため、基本的に何をしても痛みは持続し、生活動作に制限が生じます。伸びきって痛めた部位は近づけて縮めてしまい、そのまま数日間固定し、修復されるのを待つことが基本となります。また、修復しやすい環境を整えることが重要です。
症状の現れ方は?
肉離れは、下半身の筋肉に発生しやすいとされています。特に、腿の前面の大腿四頭筋や後面のハムストリングス、ふくらはぎの腓腹筋に好発し、腿の内側にある内転筋にも注意が必要です。
患部を動かすと痛む、触れても痛みがあることから始まり、重症になるほど患部表面が腫れ上がったり、断裂により患部を触ると凹みが確認できる場合もあります。
怪我をした際に患部に衝撃や音が鳴ったような自覚があることもあります。筋肉が攣ったような痛みを感じることもあり、痛みが出た後は筋肉痛や疲労による痙攣と混同してしまうこともあります。そのため、感覚や患部、そしてその周りの関節を動かしてみた時の痛みの出方などから慎重に判断する必要があります。
その他の原因は?
健常な筋肉に過度な負荷がかかる他にも、
・疲労の蓄積による慢性化
・筋力低下とそれに伴う拮抗筋とのバランスの悪化
・柔軟性の低下
・不適切な使い方
などの要因が重なることで、比較的軽度と思われるような動作でも損傷を起こすことがあります。
運動前のウォームアップや運動後のクールダウンなどの管理に加えて、普段の生活や日常動作での自己管理も重要な要因となります。
特に現代では、座っている時間が長く、お尻から下の筋肉が伸びなくなり、姿勢が悪いため前のめりになり、腹筋やインナーマッスルなどの奥の筋肉が収縮してしまいがちです。このような何気ない体勢の維持も、筋肉が固まる原因となり、怪我を引き起こしやすい身体を作る可能性があります。
肉離れを放置するとどうなる?
事故などでの大きな損傷を除けば、手術が必要となることはほとんどないとされています。受傷直後であれば、安静・圧迫固定・冷却・高挙のRICE処置が基本です。
それでも「動けないことはない」、「大会など結果を出す日が近い」、「大したことはないから」と状況を軽視して放置し、自然治癒に任せてしまうことがあります。その場合、痛みが軽減することはあるかもしれませんが、治りきらないまま今まで通りの負荷をかけると、再度元の筋挫傷の症状が表れる可能性があります。
捻挫のように癖がついて、同じ部位が弱くなっていくのが非常に恐ろしいポイントです。今まで通りスポーツを頑張るどころか、日常生活にまで支障が出てもおかしくありません。
当院の施術方法について
負傷直後であれば、どうしても患部に痛みが発生します。触れるだけでも痛みが出て、症状が悪化する可能性があるため、患部にはアイシングを行い、マイクロカレントという自己治癒力を高める電気を流して腫れと安静時の疼痛が治まるのを待ちます。また、固定力に優れたホワイトテープで保護し、患部に関わる大きく強い筋肉を緩めることで、循環と回復を促進できる環境を整えます。
受傷から数日後、内出血の具合を確認しながら筋力低下を最小限に抑えることが大切です。患部を庇った生活で崩れたであろう重心のバランスを戻し、患部が伸びきった原因として周囲や反対側の筋肉の収縮が強かったことが考えられるため、全身的なストレッチや鍼施術も検討することが望ましいです。
改善していく上でのポイント
その場しのぎの施術だけでは根本的な解決に至ることは難しいと考えられます。多くの場合、怪我をする以前から身体がガチガチに硬いなど、状態が悪かったことが予想されます。
もともとの状態が悪い場合、生活習慣や運動中のフォーム、癖の確認とその矯正、水分不足や栄養状態など、改善すべきポイントがいくつかあります。これらの問題が繰り返し発生する恐れがあるため、患者様自身の気づきや内省に加え、客観的なチェックや評価が必要になります。
こまめなチェックとリハビリを兼ねた通院で、二人三脚で注意深く見守りながら、正しいセルフストレッチを身につけることが重要です。そして、怪我以前よりも元気でいられるようにしていきましょう。